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技術情報

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技術情報 Q&A 項目リスト

Q:チューブ炉とは
Q:.熱電対とは
Q:ヒーター線について
Q:なぜ温度を上げる必要が有るのか
Q:.なぜチューブ炉で高温にしながらガス置換しているのですか。
Q:熱処理で用いられるガスの種類は
Q:燃えるという現象も化学反応ですか。
技術情報における免責事項

技術情報についてはQ&A方式にて順次更新して参ります。
掲載内容については技術情報における免責事項をご確認の上、ご利用ください。
その他、技術情報における質疑がございましたらお気軽にお問合せ下さい。

Q.チューブ炉とは

A:

管状炉イメージ

チューブ炉とは炉内がパイプ形状の電気炉の事を言います。
炉内には試料を囲むようにヒーターが配置されているのでとても熱効率が良く、手軽に高温域まで加熱できる事から、熱処理研究、金属の新素材開発、その他幅広い分野で使用されております。
また、さらに温度分布(均熱長)を幅広くしたい場合にはヒーターゾーンを独立制御できる3ゾーン式チューブ炉を使用したりします。

使用方法としては
チューブ炉に炉心管(セラミック製・石英管・メタル管)と呼ばれるパイプ形状の物を炉内にセットし、炉心管内に試料を投入し焼成します。また、ガス雰囲気で置換したい場合は炉心管の両端に専用のフランジを取り付ける事で簡単にガス置換しながらガス雰囲気にて焼成する事もできます。

Q.熱電対とは

A:異なる金属線の一端を接合し、そこに温度を与えると、他端との間に熱起電力が発生するという現象がおきます。この現象はゼーベック効果といいます。(1821年にドイツの物理学者トーマス・ゼーベックによって発見されました)熱起電力は熱電対の素線の材質や温度によって定まります。熱電対にはたくさんの種類がありJISで規格で規定されているものでも8種類もあります。たとえばK熱電対はプラス極がニッケルとクロムを主とした合金、マイナス極はニッケルを主体とした合金で、使用温度としては常温から1000℃付近で使用されています。

温度接点の種類
最初に熱電対とは金属線の一端を接合し、そこに温度を与えると、他端との間に熱起電力が発生すると記述しましたが、接点(接合部)の種類によっても特徴が変わってきます。

接地形 熱電対素線を先端部で直接溶接したもので応答速度が早く、高温高圧に適している熱電対がシースに接地しているので雑音電圧のある場所では使用できません。
絶縁型 側温接点がシースと完全に絶縁されているため雑音電圧に影響されず、かつ気密で有るため安全に使用できます。応答速度は接地形に比べやや劣りますが、熱電力の経時変化が少なく長時間の使用に向いています。
露出形 側温接点を完全に露出させたもの、最も応答速度が速く、温度変化の追従性が優れています。ただ機密性と機械的な強度が劣るため、腐食性雰囲気や高温高圧下では長時間の使用はできません。

シースとは
熱電対におけるシースとは保護管のことを言います。熱電対の保護管内部には素線(アルメル・クロメル)と科学的に安定した酸化マグネシウムが充填されています。シース部が細いほどレスポンス良く炉内温度を測定できます。逆に太いほど耐久性は多少高くなりますが、レスポンスは遅くなる傾向に有ります。 耐熱性についてよく質問がございますが、シース形状は多少の影響は有りますが、材質の方が大きく影響しますので使用温度に合った熱電対とシース材質を選んで下さい

補償導線とは(端子部分の温度変化によって生ずる誤差を補償するための接続線です。)
主に熱電対から出ていて、温度制御器に接続するケーブルになります。補償導線は常温を含む相当な温度範囲において、組み合わせて使用する熱電対とほぼ同一の熱電的特性をもつ1対の導体に絶縁した物をいいます。熱電対の端子部分の温度変化によって生ずる誤差を補償するために使用されます。 一般にはビニールが多く使われていますが、耐熱性に優れたガラスリード(ガラス繊維+塗料)、耐熱耐薬品性に優れたテフロン・シリコンリードもございます。
また補償導線の色で熱電対の種類を判断する事もできます。たとえば青=K熱電対、茶=T熱電対などになります。

被覆熱電対線
熱電対線そのものにビニール、ガラス繊維、テフロンなど絶縁被覆を施したものにで柔軟性が有るため、一般の熱電対では測定が難しい箇所などに有効にしようできます。

チューブ炉における熱電対交換について
熱電対を交換または変更する際は、予め温度コントローラーがどの熱電対に対応しているか確認して下さい。
また使用する温度に適した熱電対を選択する必要もございます。たとえばK熱電対などは900℃以上にて使用しますと早く劣化し温度精度が著しく損なわれます。

シース材質とは
シース部の材質により、高温使用時の耐久性が変わります。高温にて使用される場合は耐久性を考慮して耐熱性の高い材質を選定してご使用下さい。
*シース材質:SUS316 使用温度限度(℃):800℃/シース径Ф1.6mm 
*シース材質:インコネル600 使用温度限度(℃): 800℃/シース径Ф1.6mm 
*シース材質:ナイクロベル 使用温度限度(℃): 1,050℃/シース径Ф1.6mm
*シース材質:ホスキンス 使用温度限度(℃): 1,280℃/シース径Ф1.6mm
上記、数値はあくまでも参考数値になり、使用環境及び使用方法により異なります。

シース伸びとは
熱電対のシース部は加熱されることにより収縮します。たとえば炉心管を用いて試料をセットし加熱した場合の精確な反応温度を測定する為によく炉芯内に熱電対を挿入される場合が有ります。この場合、例えばシース部がΦ3.2×1000mm長のうち、シース加熱長500mm程度を900℃で加熱しますと、全長で10mm程度収縮します。試料の形状によっては実際の測定位置は変化する事が有ります。

チューブ炉における熱電対シース部挿入長
チューブ炉の炉体に熱電対シース部を挿入する際は、シース先端部が炉内面より10mm程度突起するように挿入して下さい。シース部を浅く挿入した状態で使用しますと炉内温度を測定できず、炉体セラミック部を測定することになります。このような使用をされた場合、実際の炉内温度との誤差が生じ制御機器(温度コントローラー)は目標温度に到達するまで通電を続けた結果、設定温度によってはヒーターの表面温度が1,400℃以上となり溶断してしまう恐れが有ります。このような思わぬトラブルを避ける意味でもシース挿入長には細心の注意が必要です。

熱電対寿命
熱電対は負荷条件により寿命が著しく損なわれます。たとえば昇温・降温を繰り返し使用しますと、膨張収縮により熱電対の温度精度が著しく損なわれる場合も有ります。このような使用をされた場合は早めの点検・交換をお勧めします。

Q:ヒーター線について

A:一般的なヒーター線と言うとニクロム線が有名です。しかし銅線などの線に電気を流しただけでも、おおよそもヒーターとして使用できます。しかし、現在では適度な抵抗と耐久性・加工性・温度特性を持った物がヒーターとして有効に使われています。比較的空気中で高温で使えつつリーズナブルな価格で、入手も比較的しやすい物の下記に記載します。

ニクロム線
ニクロム線(ニクロタル・プラス合金)ヒーター詳細名:ニクロタル40プラス/連続使用最高温度:1,100℃
ニクロム線(ニクロタル・プラス合金)ヒーター詳細名:ニクロタル60プラス/連続使用最高温度:1,150℃
ニクロム線(ニクロタル・プラス合金)ヒーター詳細名:ニクロタル80プラス/連続使用最高温度:1,200℃
※使用雰囲気において特性が変化します。

カンタル線(抵抗加熱合金)
カンタル線は粉末冶金で製造され、カンタルAF・D・LT・A1など有りますがその中でも主にチューブ炉にはカンタル線 A1が使用されております。カンタル線A-1は高温における強度と形状安定性に優れた画期的な発熱体です。 連続使用最高温度は約1,225〜1,350℃。※ヒーター素線径及び使用雰囲気において変化します。

Q:なぜ温度を上げる必要が有るのか

A:我々の私生活の中でも温度を上げる事はあると思います。
温度を上げると言う事は室温では動かない(変化しない)「原子や分子」の動きを活発にさせる役割があります。物質は温度を上げる事で「分子や原子」が活発に動き、逆に温度を下げることにより分子や原子は動かなくなる特性が有ります。※注意)物質によっては高い温度の方が固まるといったものもあります。
人間でも寒いと背中を丸めて体を小さくし動かなくなるのに対し、暖かいと体が緩んだり活発になるのと同じ様に考えれば、理解もし易いかと思います。

ここで簡単に基本となる「分子や原子」について説明します。
世の中にある物質はいろいろな物質が混ざっています。例えば、塩水はどうでしょう?塩水には「塩」と「水」が混ざっており、熱などを加えると塩と水に「分離」できます。
塩水 → 塩+水この塩や水はさらに分けられて、下記の様になります。塩(NaCl) → ナトリウム(Na)+塩素(Cl)水(H2O) →水素(2H)+酸素(O)水素(H)や酸素(O)の様に、物質を作る最小の粒子で、これ以上分けることのできないものとして、これらを1803年にイギリスのドルトンが[原子]と名づけました。また、塩や水の様に、原子がいくつか結びついてできた粒子で、その物質の性質を持つ最小単位となるものを、1811年にイタリアのアボガドロが考え、これらは[分子]と呼びます。余談ですが分子が分離したり結びついて、新しい別の分子に変わるのが「化学反応」というもので、このときエネルギーが発生します。原子が分離したり結びついて、新しい別の原子に変わるのが「核反応」というもので、このときもエネルギーが発生します。

温度を上げると言う事は室温では動かない(変化しない)「原子や分子」の動きを活発にさせる役割があります。活発になれば運動による原子や分子同士の衝突が多くなり従って、反応が促進されるのです。また、温度が高いと拡散や溶解が進みます。
溶解でたとえると、同じ分のお湯と水に、同じ分の砂糖を溶かすと、お湯の方が早く砂糖が溶けると言った現象です。ある程度の温度で、動きが活発なるものが、さらに温度(熱エネルギー)加えると、分子間の振動が激しくなって、切れたりもします。氷が水になると言ったイメージです。
さらに、本来自然的には無理な状態の反応を、外部から熱(エネルギー)を与えてやることで、反応に必要なエネルギーを手に入れ、そのエネルギーを使って、別の反応や物質へと変化させたりします。一番簡単だと、水が水蒸気になるってイメージです。これらを利用して、さらに実用的な例では、高い温度が必要なものと、低温でも変化し易い物を、温度差を利用して分けたり取り除いたりも出来ます。融点とか沸点などがそれです。ガソリンの精製や、金属の純度を上げると言った作業も当てはまるかも知れません。

では具体的な使用温度でお話しますと、温度は実験の系により反応だけ促進するなら50℃程度で良いのですが、水分除去などの乾燥が目的なら80〜110℃程度です。以前、水銀測定の前処理用に加熱ホットプレートを購入されたユーザー様から、水銀の分析がうまく出来ないと伺ったことが有ります、原因は水銀の様な低沸点なものを測定する目的なのに、前処理で高温を掛けてガンガン分解していたので、測定時には、試料の中から水銀がなくなっていたのが原因でした。加熱には目的に合わせた設定が必要です。
また、灰化するならものによって150〜300℃必要でしょう。ホットプレート等を用いて酸分解するなら、使用する酸の沸点以上の温度が必要になります。金属は高温が必要ですが、タンパク質が多い食品などは、それ程高い温度を必要としないで分解も出来ますし。 なんの実験でもそうですが、重要なのは目的となる何をするかで的確な温度設定が必要と言うことです。

超低温フリーザー −40〜−80(度凍結保存環境を保持する温度)
冷凍庫 −20℃
薬用冷蔵庫2〜14℃
恒温培養器 37℃
インキュベーター 80℃
オートクレーブ127℃(蒸気滅菌など)
アルミブロック恒温層 200℃
ホットプレート 250℃
真空乾燥機 250℃
定温乾燥機 270度
マントルヒーター 450℃
強力ガスバーナー 1000℃
電気炉 1100℃
高温用電気炉 1500℃
超高温炉 2000℃

Q.なぜチューブ炉で高温にしながらガス置換しているのですか。

A:ガスで置換する意味は、空気中には酸素がありますので、 空気雰囲気で加熱をすると、高沸点の酸化物が生成します。 そのため、その後の分解や溶解が出来なかったり 何よりも化学形態が変化してしまう可能性があるのです。 よって窒素ガスを使う場合はこのような反応を嫌う実験に用いる事が解ります。 窒素は不活性ガスで、他と反応しにくいので余分な反応を起こし難いです。 また、水素は燃焼補助に有効であったり 水素化物などを形成させるのに役立ったりします。 これも、目的次第ですが。 酸化物が問題とならなければ、空気雰囲気で実験すれば良いのですからあえてガス置換する必要は無いという事になります。

Q:熱処理で用いられるガスの種類は

A:熱処理で使われるガスは主に5種類有ります。炉内の雰囲気ガスは目的に応じてそれぞれ調整します。

不活性ガスとは金属材料と一緒に加熱しても化合物を作らないガスです。

中性ガスとは金属材料とはほとんど不活性ガスながらTiと反応するするため、中性ガスとなっております。しかしクロム(Cr)の多い物に窒素ガスを用いると窒化物をつくるとも言われています。

酸化性ガス=脱炭性ガスです。金属材料についてはやっかいなガスです。容易に脱炭反応が起きたり、スケールが生成します。またCO2やH2Oは浸炭処理雰囲気では特に有害ガスになります。

還元性ガス=浸炭性ガスです。主に光輝熱処理行うに際に使用します。金属材料の炭素含有量と雰囲気の炭素濃度管理に気をつけないと、脱炭もしくは、浸炭します。

窒化性ガスはガス窒化やガス軟窒化にはなくてはならないガスです。毒性が強く、刺激臭も強いです。

性 質 種 類
不活性ガス アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)
中性ガス 窒素(N2)、乾燥水素(DryH2)、アンモニア(NH3)分解ガス
酸化性ガス 酸素(O2)、空気、水蒸気(H2O)、炭酸ガス(CO2)
還元性ガス 水素(H2)、一酸化炭素(CO)、炭化水素系ガス(CH4,CH3H8,C4H10など)
脱炭性ガス 酸化性ガス
浸炭性ガス 一酸化炭素(CO)、炭化水素ガス(CH4,C3H8,C4H10など)都市ガス、メタノール(CH3OH)、エタノール(C2H5OH)、などの分解ガス
窒化性ガス アンモニアガス(NH3)

Q:「燃える」という現象も化学反応ですか。

A:メタンガス・石油・まきが燃えるのも化学反応である。 たとえば水素というモノが有る。これは爆発する危険性が有る。爆発とはいうのは急激に反応して、燃える事である。 水素の反応式は2H2+O2→2H2O 炭素の反応式はC+O2→CO2 酸化鉄の反応式は4Fe+3O2→2Fe2O3 これらの「燃えるに」に共通する点は「酸素」で有る。 実は「燃える」という化学反応の多くは、モノが酸素と化学反応を起こすことをいいます。 また、化学反応によって、なにか新しい物質ができる。そのできたモノを「化合物」いう。 まず、電気炉のような物は高温にして窒素や水素をパージしていますがいったい何のためにやっているのかいまいち理解していないのが実情だと思うのでお話します。 ガスで置換する意味は、空気中には酸素がありますので、空気雰囲気で加熱をすると、高沸点の酸化物が生成します。そのため、その後の分解や溶解が出来なかったり、何よりも化学形態が変化してしまう可能性があるのです。 窒素は不活性ガスで、他と反応しにくいので余分な反応を起こし難いです。 また、水素は、燃焼補助に有効であったり、水素化物などを形成させるのに役立ったりします。 これも、目的次第ですが。 酸化物が問題とならなければ、空気雰囲気で実験すれば良いのですからあえて置換する必要は無いという事になります。

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